ターコイズ鉱山は現在も新しく生まれ続けています。

採掘には、鉱山範囲を指定して土地を購入し、採掘権を取得。
重機や工具、ダイナマイト等を使用して採掘。
カット、研磨に使用する機材を用意し、産出された鉱石や貴石からルースを作り販売。

鉱山名を冠した貴石やターコイズの認知を獲得するべくマーケティングを行い、利益を確保することで採掘に掛かる費用や鉱山の運営維持が可能となります。

新しく生まれるターコイズ鉱山の多くはマーケティングが十分ではなく、鉱山名が認知されていない為に需要を獲得出来ず、良質なTurquoiseが産出されていてもその認知度の低さから、Classic Turquoiseと比較して安価に入手可能と言えます。マーケティングに成功したClassic Turquoiseは、今も尚高い需要を誇りますが、その殆どは鉱床が枯渇、閉山しています。

採掘量の低下に比例して、質の高い個体の確保が年々困難になっており、その希少価値と共に価格も上昇し続けています。

ターコイズは、産出地や鉱山により見た目が殆ど変わらない物も存在しますが、価値、希少性の高い個体ほど特有の表情があり、その殆どが1つとして同じものが存在しない特徴を有しています。

LANDER BLUE TURQUOISE

 

5大クラシックターコイズの1つ:ランダーブルーターコイズ

1973年 リタ・ハップグッドがピクニックに出かけ、インディアンクリーク近くの山腹でリタの息子によって発見された。当初の採掘名はリタの母親の名前に因んで「メアリー・ルイス」であった。1974年 リタは採掘権を売却。その後、採掘権が購入され、再び採掘されたターコイズは僅か45kg程度、帽子に入る位の量しか取れなかったと言われていることから「ハットマイン」と呼ばれ、アメリカで最も希少で高価なターコイズとされる。

そのほぼ全てがスパイダーウェブに埋め尽くされ、美しく深い群青色を纏うランダーブルーターコイズ。
母岩に含まれる微量な金属や鉱物により、スパイダーウェブが金色や銀色に見える「ゴールドウェブ」「シルバーウェブ」と呼ばれる個体も存在する。

ランダーブルーターコイズは、個体の特徴的な色味や模様に加えて、ハットマイン等と呼称されるその希少性も相まってマーケティングが成功したことで、偽物も多数流通しています。インディアンマウンテンターコイズや、中国のユンガイ、フーベイターコイズにスタビライズ加工を施し、色味を濃くした偽物が多数存在します。

近年ランダーブルー鉱山は、2人のオーナーによって採掘権を保有されています。

LONE MOUNTAIN TURQUOISE

5大クラシックターコイズの1つ:ローンマウンテンターコイズ

この地域で初めて採掘を行ったのは、ドイツのモーザー兄弟だとされている。1920年 リー・ハンドが採掘権を取得し、ブルージェイターコイズ鉱脈と名付けた鉱山。借金返済の為に鉱床の場所を教えたことが、この鉱山の始まり。
その後、リー・ハンドは鉱山を売却。この地域では数世代に渡ってターコイズが採掘されている。1970年 メレンス・ウィンフィールドが採掘権を取得、最盛期を迎え最も多くのターコイズが産出された。

数十年に渡り実施された露天掘り、山腹では新たな鉱床を求めて無計画にトンネルが掘られたことで採掘環境が悪化、危険な状況になり、採掘困難となったことで鉱床は破壊された。後に別の所有者がトンネルを壊し、現在はまた別の所有者が緻密な計画の基に採掘を再開しているが、鉱脈が少なく、質の高い個体はやはり年々入手が困難になっている。

ローンマウンテンターコイズのその価値は、濃く美しい色味もさることながら、変色や色落ちが殆ど無い硬度と、研磨されて現れる美しいガラス質の艶感等にこそ見て取れます。その為、古くから巨匠と呼ばれるアーティスト達に好んで使用されています。

 NUMBER EIGHT TURQUOISE

5大クラシックターコイズの1つ:ナンバーエイトターコイズ

1925年 地元の理髪師がネヴァダ州カーリンから北へ50kmの地点で発見した鉱床。しかし、地権者であるアール・バフィントンとローレンス・スプリンガーの意向により、1929年まで実際の採掘は実施されなかった。1930年 テッド・ジョンソンがバフィントンから地権を買い取り、以来何人もの地権者が採掘を行った。
1959年頃 エドガー兄弟は、既に有名であったターコイズと銅の採掘地の下に、金の鉱床が埋まっていることを知らずに10箇所の地権を売却してしまう。この中には「ロイヤルブルー」「ロイヤル・ブルー・ナンバーワン」「ブルースター」も含まれていた。
この鉱山の採掘権は幾度も売却され、鉱床も変わっている。
1976年 この地域でのターコイズ採掘は終了する。

ナンバーエイトターコイズの由来は、最高品質のターコイズが8番目の採掘地から発見された為だとされています。
濃い青にスパイダーウェブの入った個体から、淡いスカイブルーにブラックウェブやゴールドウェブの入った個体までバリエーションも存在します。
独特な優しい風合いの青色は合わせ易く、日本国内でも非常に人気が高いターコイズです。

RED MOUNTAIN TURQUOISE

5大クラシックターコイズの1つ:レッドマウンテンターコイズ

キャリコレイク・ヴァレー東側 レッドマウンテン南斜面に沿って存在、1970年代に発見。

脈状/ベインで採掘されることが多い為、大きな塊で手に入ること自体が珍しい。
大半の個体は薄い板状に採掘される。

高品質なターコイズが多数産出されてきたレッドマウンテン。
ランダーブルーやローンマウンテンと肩を並べるほど質が高く、黒や錆びた様な赤褐色の複雑なスパイダーウェブが多く入ることから、好んで収集するコレクターも多いターコイズです。
硬度も高く、穴を開けて直接ネックレスにも出来るほどの質の良さを誇ります。

BISBEE TURQUOISE

5大クラシックターコイズの1つ:ビズビーターコイズ

市場に出たのが最も早く、世界の希少価値が高いターコイズ上位5種に入る。
1950年 銅山の露天掘り採掘の過程で偶然産出。
鉱山作業員達は銅の採掘作業中に原石を収集したり、捨てられた石の中から採取しターコイズ業者に販売、そこから市場に供給される様になっていった。

一度市場に出ると、その独特な霧がかった様な紫色のマトリックスと深く濃い青色に人気が集まり、定番のターコイズとなった。

「ラベンダーピット」は模様ではなく、ターコイズの採掘で有名な地域名称。

鮮やかな深い青色に紫がかって見えるのが特徴のビズビーターコイズ。
独特な煙がかったマトリックスが入った個体はスモーキービズビーと呼ばれ、滅多に市場に出回らないことからコレクター垂涎のレアアイテムになっています。

APACHE BLUE TURQUOISE

ネバダ州トノパ近郊、キャンデラリア山脈に位置する小さなアパッチブルー鉱山。
一度は閉山されるものの、2003年頃に採掘再開。

閉山までに採掘されていた良質な個体は、濃いブルーに黒い模様が蜘蛛の巣状に広がるブラックウェブや、不均等に広がる黒い模様のブラックマトリックス等が主流であった。
採掘再開以降、透明度のある鮮やかなRich Blue ColorにBlack Webや、キャンデラリアターコイズの様なRed Webが入ったものも稀に産出され始める。

密度があることで硬度が高く、研磨するとガラス質の輝きを放ちます。
採掘自体が未だ進んでいない為、今後もハイグレードターコイズの産出が期待されている鉱山の一つです。

EASTER BLUE TURQUOISE

1907年 ネバダ州トノパ北西 ナイ群に位置し、ロイストン地区の近くでルー・シラックによって発見された鉱山。発見者のルー・シラックが、イースターでバーを追い出されて酔っ払っていた時にこの鉱脈を見つけた為、イースター・ブルーと呼ばれたことが鉱山名の由来とも言われている。

複数のオーナーが関わっており、「ブルー・マウンテン」や「ブルー・ジェム」と呼称されることもある。

模様が入る個体は殆ど採掘されませんが、稀にスパイダーウェブが入る個体も存在します。
大半の個体は濃い青緑色に茶色の模様が入っています。

PAIUTE TURQUOISE

1970年代からネバダ州で採掘されているパイユートターコイズ。
市場認知が行き届いていないターコイズの1種でもあるが、極端に少ないその採掘量から、目にする機会が生まれ無いという事が主な要因であり、同時に希少価値も高い。

硬度が非常に高く、研磨するとガラス質の輝きを放つ。
深く濃い青色は美しい色相を生み出し、黒や茶色のウェブは見る者に力強い印象を与える。
また、その深海の様な濃い色味から、ゴールドとの相性が非常に良い。

市場認知度の低さとその希少性から、ランダーブルーターコイズと同様に偽物が非常に多い。
その殆どはチャイニーズターコイズに染めを施してスタビライズされた個体であり、ランダーブルーターコイズ・パイユートターコイズとしてイミテーション販売されている。

BLUE GEM TURQUOISE

ネバダ州 バトルマウンテンから南に10km ブリオン地区内に位置する鉱山。
かつては州内でもトップクラスの採掘量を誇ったが、現在は金と銅の露天掘りが主流となっている。

有史以前から存在する旧い鉱床であったが、1934年に再発見され、深さ240mまで掘削されている。

ここから採掘されたターコイズは、先住民のジュエリー産業が興って間も無い20世紀中頃から1980年代初頭にかけて市場で大きな影響力を持った。多くの宝石細工師がブルージェムターコイズの原石を買い、1980年代初頭までは市場に多くの個体が出回り、多数のジュエリーに使用された。

今日までの採掘権利は「ザ・コンテンション」「ペドロ・ロード」「ターコイズ・トンネル」「バトル・マウンテン」の名称で登記されていた。

ハイグレードの個体は美術館やコレクター所蔵のものが多い。

青から緑まで、様々な色が存在する。

CARICO LAKE TURQUOISE

有史以前から採掘されていたことを示す、採掘に使用されていた道具がキャリコレイクヴァレーで発見されている。記録上、最も古いものは1909年に、ネバダ州ランダー郡の干上がった湖の底から発見された。

現在も採掘は続いているが、冬が厳しく人里離れた地点に位置する鉱山であり、年間でも非常に限られた時期でしか採掘が出来ない為、入手が困難なターコイズの1つである。

1930年、採掘者のガールフレンドの名前「オーロラ」を用いて採掘権が申請された事で、当時は「オーロラ」と呼称されていた。その後、幾度と無く所有者を変えながら鉱山の名称も変わり、現在の「キャリコレイク」となる。

銅に亜鉛が混合して黄緑色に発色する。
青から青緑まで、様々な色が存在し、ファウスト石を含む。

CANDELARIA TURQUOISE

エスメラルダ郡とミネラル郡の境界線に沿って位置する大鉱山地区。
1800年代中頃、スペイン人の金銀探索者が移住し、1905年から1908年にかけて企業が採掘権を取得した。

ターコイズやバリサイト等、バラエティ豊かな鉱物が存在する。
ここから採掘されるターコイズは、「アジャックス」「ブルーボーイ」「ブルームーン」等、そして「キャンデラリア」である。

透き通る様な透明度の高い青色に、黒や赤茶色のマトリックスが入る。

キャンデラリア鉱山内は、風化と侵食によって非常に危険な状態で採掘が難しく、その為に希少価値も高くなっている。

STORMY MOUNTAIN TURQUOISE

ソニーモールデンというカウボーイによって発見。
ネバダ州エルコ郡に位置し、1970年代に多くのターコイズが採掘された。

「カーリン・ブラック・マトリックス」「サニーサイド」の名称で流通していた事もある。
この名称は、暗雲が漂う様な黒く独特なマトリックスが特徴である。

クラシックターコイズの1つであり、現在は閉山している。

BLUE DIAMOND TURQUOISE

ネバダ州ランダー郡 アイオワキャニオン北東に位置。

1970年代初頭 ジョー・モリスと彼のパートナー達がブルドーザーを用いて、様々なターコイズの塊を大量に発見した。大きさも多岐に渡り、長さ30cm・厚み5mmの巨大な塊まで存在した。
採掘された母岩の色も様々であったが、最も多く発見されたものは黒のチャートであった。
この黒のチャートにより、ストーミーマウンテンターコイズに似た青色と黒が渦巻く様な独特のマトリックスが入る。

母岩は硬度にばらつきがある為、カットを入れる事が難しいターコイズでもある。

ハットマイン「ツバの大きな帽子に入る程度しか取れ無かったターコイズ」と呼ばれているターコイズの1つ。

FOX TURQUOISE

ネバダ州コルテス地方に位置する古い鉱床。

元来、FOXは先住民達によって採掘されていた。
最初にこの鉱山でターコイズを採掘し始めたのは、ジョージ・ジュミッドラインである。
使用人がFOXを見つけ、ジョージにその場所を伝えた事から採掘が開始された。

1914年、ジョージの息子であるチャールズとその友達ジョニー・フランシスが採掘権を申請。約1年間の採掘を行った後、1915年にウィリアム・マッガウに採掘権を売却。エド・スミスが経営者となり、後年は息子のチャールズが業務を引き継いだ。

1941年、採掘権がダウェル・ウォードに渡り、フォックス鉱山と命名された。
ネバダ州最大の産出量を誇る鉱山地区の1つであった。

美しい緑が特徴的であり、ベージュのマトリックスが入る事が多い。

INDIAN MOUNTAIN TURQUOISE

有史以前からの鉱山。
ネバダ州クレセントヴァレーから南西へ74km ボールドマウンテンの斜面に位置する。

1970年代にショショニ族の羊飼いによって偶然、再発見される。

後に、ダン一族、エドガー一族、モージー一族、そしてボブ・バートンが採掘し、
ターコイズの原石とルースを販売。
また「ブルー・ジェイ1」「ブルー・ジェイ2」「ブルー・ジェイ3」等の名前でも流通販売されていた。

薄い緑色から艶感のある水色、青や青緑に黒のマトリックスやスパイダーウェブ、エメラルドの様な青緑にゴールドウェブ、独特なマット感が特徴である。

一般的にはベージュのマトリックスの個体が多く、黒やこげ茶色のマトリックスの個体はハイグレードとされている。

ランダーブルーターコイズとして販売されている事も多い。
それだけ質が良く、一瞥では分からない程のクオリティを兼ね備えたターコイズでもある。

PILOT MOUNTAIN TURQUOISE

1800年代終盤に初めて史実に登場。

ネバダ州中西部 マイナから約48kmのパイロットマウンテン山脈の南端に沿って位置する。

ターコイズを産出する他地区と同じで、この丘が広がる地区は広大で複数の採掘可能箇所が存在する。
かつて最も有名なエリアは、「モキ・アズテック」と「S・シモンズ」と呼ばれていた。現在も採掘は続いており、複数のオーナーが関係している。

ベインと呼ばれる薄い脈状で産出される為、ナゲットと呼ばれる塊状で採掘されることは殆ど無い。大多数のパイロットマウンテンターコイズは表面が平らな仕上がりであり、ドーム状で膨らみのある個体は希少である。

色味はグリーンからブルーまで幅広く、マトリックスもベージュ・赤茶色・黒と多様。
磨くと美しい光沢と滲む様な模様が入る。
質の良い個体は、濃いブルーに滲む様なレッドウェブが映える美しいターコイズとなる。

NEVADA BLUE TURQUOISE

ネバダ郡に位置する鉱山。
1901年、ジム・ワットによって初めて採掘権が登記された。

「ピント・ワッツ」「ティンバーライン」「ウィザム」等の名称でも知られる。

小さな鉱床で多くは産出されない為、市場への流通量も少ない。
鉱山に行くことさえ困難と言われる程の、非常に危険な立地である。

色味はブルーから濃いブルー、ハイグレードとされる個体には黒からこげ茶色のスパイダーウェブが
均等に入る。

別名「TIMBER LINE TURQUOISE」

DAMELE

ネバダ州キャリコレイク近くに位置する小さな鉱山から産出される入手困難なターコイズの1つ。
ハイグレードな個体はランダーブルーターコイズよりも見つけ出すのが難しいコレクターアイテムとして扱われている。

鉱山の地質に亜鉛を豊潤に含有することから、オリーブ、グリーン、ベージュ、ホワイト等、
様々なカラーバリエーションが存在する。

細かなスパイダーウェブ、こげ茶色から黒のウェブが入るのが特徴。

ORVIL JACK TURQUOISE

本来の鉱山名は「ブルー・リッジ」だが、最後のオーナーの名前である「オーヴィル・ジャック」の名称で知られる様になった。

1950年代、オーヴィルは義兄弟のドク・エドガーの採掘作業を手伝う為にこの鉱山のオーナーとなった。
機械工であったオーヴィルは個性的な人物で、どんな物でも修理が出来たという。

ハイグレードのブルーカラーで、黒のスパイダーウェブが入った個体はポケット1杯分しか取れなかったと言われている。

一般的な青から緑まで、様々な色が存在する。

ROYSTON TURQUOISE

ネバダ州エスメラルダ群にある。
古い記録は1902年、それ以降いくつもの鉱床が発見され採掘権の申請がされている。
これらの鉱床の名前は《オスカー・ウォーレンド》
《ロイヤル・ブルー》《バンカー・ヒル》
《ロイストン》などの名前がつけられた。
中でも最大の採掘量を誇るのが《ロイヤル・ブルー》
それぞれの鉱床から採掘される多くのターコイズは見た目や色がそっくりであるため、
この地区で採掘されるターコイズは通常《ロイストン》の名前で売られている。
スカイブルーからグリーンまで
マトリックスもベージュ、赤茶、こげ茶と様々。

 

 

CERRILLOS TURQUOISE 

セリリョスは、アメリカ南西部にある名高い歴史的なターコイズの産地であり、ニューメキシコ州サンタフェ近郊にあり700年以上昔にネイティブアメリカンが採掘していたアメリカ最古の歴史ある鉱山。

山腹からは数キロにわたってターコイズを含む数種類の鉱石が発見される。金が採掘されることは少ない。この地域では、
《ターコイズ・ヒル》《カスティリャン》《マウント・チャルチュウェートル》などの鉱床が有名。

ターコイズ・ヒルは世界で最も保存状態が良くて珍しいターコイズ鉱床の一つ。火山のふもとで産出されるので、そのミネラルによりカラーバリエーションが75にも及ぶ。

 

BLUE MOON TURQUOISE 

1997年、ネバダ州ランダーブルー鉱山付近より産出。
まだ歴史が浅く採掘回数が少ないため入手困難。
マトリックスを縁取るような深いブルーが、マトリックスから離れるにつれて優しいスカイブルーへとグラデーションがかっていく。

 

 

NORTHERN LIGHTS TURQUOISE 

ネバダ州にある鉱山。年間を通じてターコイズを大量に産出しているが、その名は多く知られていない。
レッドマウンテン下、キャリコレイクの東側に位置している。

 

 

NEW LANDER 

正式名は、ニュー・ランダー・ロイヤル・ウェブ・ターコイズ。
ネバダ州の中北東部、非常にレアで高価なことで有名なランダーブルーターコイズの鉱山から、1マイルの所で近年発見された、オリジナルのランダーブルー同様にハイグレードであり、しかもかなり珍しいカラーシングとマトリックスの入り方が珍しい。
非常に濃いブルーに黒のスパイダーウェブが入ったものも稀に採掘される。

 

 

GODBER BURNHAM TURQUOISE 

1932年、標高2100メートルの場所で発見。当時は《 ラストチャンス 》の名で呼ばれていた。
その後《 ホームサイト 》と 《 ブルーストーン 》という2つの鉱床の採掘権も申請され、後に《 ドライクリーク 》として知られるようになる。

1934年フランク・バーナムに売却され、その後、バーナムからウォルター・ガドバーに売却された事で名前がなんども変わった鉱床の一つ。
独特な色味の青でペールブルーと呼ばれる白やクリームが混ざったような青に赤茶や黒のウェブが入る。非常に質の高いターコイズとして有名。

 

 

KINGMAN TURQUOISE

1880年終わりに発見。アリゾナ州キングマン近郊 ミネラルパーク地区。
銅の福さん物として産出。最も一般的なアメリカ産ターコイズとして認知されている。
アリゾナ州モハーヴェ群のセバット産地にあるアズテックピークとイサカピークが最大規模のターコイズ鉱床。

ここで採掘されたターコイズが《キングマン》《イサカピーク》《ターコイズマウンテン》の名で販売されている。ナゲット[塊]状で流通することが多い。
グリーンがかったブルーから濃いブルーまで幅広く、グレードの高いものは《ランダーブルー》と間違われるほどの濃く美しい青に細かなスパイダーウェブの入ったモノが産出される。
深い青にブラックウェブ・レッドウェブなどスパイダーウェブが細かく均等な物が高価とされる

 

 

MORENCI TURQUOISE

有史以前からの古い鉱床。
さまざまな色のターコイズを産出しているが、最も需要が高いものは、濃い青の黄鉄鉱(パイライト)のマトリックスが入ったもの。

スカイブルーから濃いブルーまであり、黒いスパイダーウェブとパイライトが入ったモノが人気が高い。
アリゾナ州南東部のシャノン山地にあり、銅の大規模露天掘りの副産物として発見された。この地区に関する最も古い記録には1864年、ヘンリー・クリフトン、ロバート・メトカルフという陸軍偵察兵の名前が残っている。
ネバダ州のキャリコ・レイク鉱山の採掘中だったウィリアム・ラッキー・ブラウンとJ・W・エドガーは、モレンシの採掘権の提供を申し出る手紙を受け取った。2人は手を組み、7ヶ月間採掘した。その後ブラウン一族が事業を受け継いだ。
ブラウン一族は過去に採掘した石を使ってカボションを制作している。
現在は閉山していると言われており、パイライトやブラックウェブの入ったものはほとんど市場に出てこない。
ローグレードなものとして、マトリックスやパイライトが入らず、キングマンなどと見分けがつかず特徴が出ていない物は比較的手に入りやすい。現在は閉山している為、ナチュラルの価格は高騰している。

 

 

TURQUOISE MOUNTAIN

アズテック・ピーク、またはアズテック・マウンテンと呼ばれていた。
この山の中腹の地区から採れるターコイズで見た目が特徴的なため、
イサカ・ピーク、キングマンブルー、と区別して売られている。
ここから取れるターコイズは、青も緑もほとんどの場合、美しいスパイダーウェブが入っている。石よりも青いウェブの入るウォーターウェブ、バーズアイなどとも呼ばれている。

 

 

SLEEPING BEAUTY TURQUOISE

この露天掘り鉱山地区がある山脈は遠くから見ると、寝ている女性にそっくりに見えることからこの名前がついた。
採掘されるターコイズの色は、白亜色から透明感のあるスカイブルーまで幅広く、イランやチリで採掘される有名なターコイズに引けを取らない。

スリーピングビューティは世界的に有名。現在は閉山。
産出されるターコイズのほとんどはスタビライズされた安価な物が多く、
日本でもスタビライズされた安価な物が多く出回っている事から、ターコイズは安い物としても誤認されている。
ナチュラルのスリーピングビューティーは美しく鮮やかな水色で値段も安くない。
マトリックスが入らず、パステルカラーのブルーが特徴。

 

 

NEW MEXICO

 

ENCHANTMENT TURQUOISE

1958年、金探索者たちによって再発見された鉱床
1997年、ターコイズ・ミュージアム創設者であるロウリー  一族が鉱山を所有。
良質なターコイズが多く産出される。
鉄の成分が多く含まれる鉱山で、影響により産出されるターコイズは緑色が多い。ゴールドがかった赤褐色のマトリックスが入る。極少数の濃いブルーも産出されている。 

 

 

TYRONE TURQUOISE

有史以前から存在する鉱山。
1875年にジョン・コールマンが採掘権を取得し、《キャリエイト・クレイム》と名付けた。彼が狩猟旅行の最中に発見したと言われてる。
1893年、この地域で産出されたターコイズとしては最も有名で高品質なターコイズ、《エリザベス・ポケット》が見つかった。
タイロンはシューメキシコ州で一番の産地として知られている。

この地域の鉱床はバロウ山地の山腹まで延びていて、ここで産出されるターコイズは《アズレ》《パーカー》《モンテズマ》の名前で知られている。
最大の産出量を誇った《アズレ》は銅の産地として有名。
鮮やかなブルーで硬く透明度が高く、ゴールドや赤茶のマトリックスが特徴的。
ニューメキシコで取れるターコイズで最も青いと言われ、産出量も少ない。
1980年代初頭に閉山。

 

 

COLORADO

 

KING'S MANASSA TURQUOISE

有史以前から存在するターコイズ鉱床。

名前は金を採掘するためにテキサス州からコロラド州南部のマナッサバリーに移住した I・P・キング一族が由来。
金はあまり採掘する事は出来なかったが良質なターコイズを見つける事ができた。

コネホス群のピノン・マウンテンにあり、周辺地域には《ネリー・ブライ》《メキシコ》《ラストチャンス》《サンセット》《ラジャラ》《アーカンソー》などの鉱床が1980年代から存在している。
青緑色〜薄い緑、濃い緑に茶色や金色のマトリックス。
グリーンが際立って美しく、ハイグレードなモノは艶や光沢から陶器のような透明感がある。

 

CRIPPLE CREEK TURQUOISE

コロラド州にあるクリップルクリークという町の近くにあることから、この名がついた。
この地域では最大の、最も有名なターコイズ鉱床。

1929年から、バーティス一族がこの一帯を採掘してきた。
デヴィッド・グレアムのバッド・ボーイズ・マイニングカンパニーはここで最も多くのターコイズを採掘してきた事で知られる。

ここで採掘されるターコイズは全て、クリップルクリークの名前で販売される。もともと金の発掘をしていたグループがこの鉱山を発見。この地域では現在も2つの鉱山で発掘が行われている。
緑っぽいものと、茶色のマトリックスの入った薄いブルーから濃いブルーが産出される。

 

VILLA GROVE TURQUOISE

有史以前からある古い鉱床。
コロラド州ヴィラ・グローブから北西へ約11キロのところにある。
点在する樹木の間にある低い丘 陵に沿って点在している。
確認できる最古の記録は1893年のものであり、現在採掘は行われていない。

鉱床の最大の採掘場は湧き水に浸かっているため、採掘が難しい。
ボブ・ホール(ホール・ターコイズ鉱山)などが採掘権をもっていた1930年から1950年にかけて、多くのターコイズが採掘された。
ナバホ族やズニ族によるクラスター形のデザインのジュエリーに使われた。(1960年以前に作られたもの)

 

LEADVILLE TURQUOISE

レイク群のシュガーローフ地区には、通常リードビルという名前で販売されている数種類のターコイズがある。

これにはジョージー・メイ、ターコイズ・チーフ、プアー・ボーイなどの採掘証が含まれる。

 

CASTLE DOME / PINTO VALLEY TURQUOISE

Sleeping Beauty 鉱山の近くで1942年に発見された採掘されたが、1956年には閉山している。とても鮮やかな青が特徴的で,Sleeping Beauty と違うのは、より鮮やかでマトリックスが多く入っている点。

別名:Pinto Valley(ピント ヴァレー)ターコイズ。
市場に出ることは稀で入手は難しい。

 

 

EGYPT

 

EGYPTIAN TURQUOISE

エジプト・シナイ半島で産出されるターコイズ。

非常に鮮やかなブルーに赤茶色のマトリックスが入る。
透明度が非常に高く、鮮やかな青色ではあるが、アメリカ産のターコイズとはまた違った独特の青
市場にあるほとんどが、高度が足らずに樹脂で固められたモノで、ナチュラルのエジプシャンはほとんど手に入らない。

 

 

PERSIAN

 

PERSIAN TURQUOISE

イランで産出されるターコイズ

クラシックな美しさとその彩度が高く評価されインディアンジュエリー以外の宝飾品にも多く使用される。
《アンクシャタリ》《バーカネー》《アラビ》の三等級に分けられる。
ペルシャ人がマトリックスのないモノを好んだため、クリアなモノが評価されている。

 

 

CHINA

 

HU-BAY TURQUOISE

中国産ターコイズ。中国では紀元前1700頃からターコイズを装飾などに使用している歴史がある。鉱山ごとにはっきりとした区別はなくチャイナマウンテンとして流通している。

近年ブランド化されつつあり、良質なターコイズが採掘される鉱山のみ、鉱山名で流通し始めている。 

濃いブルーに真っ黒なマトリックスが入る物は比較的高値で取引されるほどに質が良く、スタビライズ処理を施して色味を濃くしランダーブルーターコイズとして偽って販売されることもあるほどに模様の入り方などは細かく力強い印象を持つ。青緑〜青、濃いブルーが産出されている。